製造業向け ヒヤリハット報告書テンプレート
ヒヤリハット報告書は、けがには至らなかったけれど危なかった、という出来事を残す紙です。
挟まれかけた、落ちかけた、切りかけた。製造現場では、この「かけた」が毎日どこかで起きています。集めておくと、事故が起きる前に手を打てます。
労働安全衛生法は、危険を防止するための措置を事業者に求めています。ヒヤリハットの収集そのものは義務ではありませんが、多くの工場が安全活動の中心に置いています。
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このテンプレートは誰向けですか
- 非定常作業での危険を集めたい方
- 対策が「注意する」で終わりがちな職場の方
- 危険の種類ごとに傾向を見たい方
どのような場面で使いますか
1件につき1枚で書きます。けががあった場合は、労働災害としての記録が別に必要になります。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 発生日時
- 危険の種類
- 発生場所
- 設備・工具
- 対象者
- 作業の区分
- そのときの作業
- 手順書の有無
- 何が起きかけたか
- けがの有無
- なぜそうしたか
- 同種の経験
- その場の対応
- 上長への報告
- 対策1(危険源)
- 担当・期限
- 対策2(工学的)
- 対策3(手順)
- 実施の記録
- 確認者
- 職場への共有
- 共有した範囲
- この件の完了日
- 完了を確認した人
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| ヒヤリハット報告書 | ||
| この表について | けがに至らなかった出来事を1件ずつ残す様式です。状況・危険の種類・その場の対応・対策を1枚にまとめます。 | |
| シート構成 | 記入用 … パソコンで入力して使うシート(空欄) 記入例 … 書き方の見本 A4印刷用 … 印刷して手書きで使うシート。A4の1ページに収まります | |
| 使い方 | 1. 危険の種類を選べる形にすると、集計したときに傾向が出ます 2. 対策は、危険源を無くす・工学的に防ぐ・手順・保護具の順で考えます 3. 非定常作業で起きたものは、手順書の有無を必ず書きます 4. 上から3つの区画に分かれています。見つけた人は①だけ埋めて出してよい形です 5. 実施の記録・職場への共有・完了日が空のものは、まだ終わっていない報告です 6. 書いた内容で人を評価しない、と職場で決めてから配ります | |
| 書く人へ(書き始める前に読む) | ヒヤリハットは、報告した人を責めないための書類。書いた内容で評価しない、と職場で決めておく。 上から3つの区画に分かれている。見つけた人は「① 見つけた人が書く」だけ埋めて出してよい。 その場で危ないと思ったら、まず作業を止めて上長に伝える。用紙はあとでよい。 対策は、危険源を無くす → 工学的に防ぐ → 手順 → 保護具 の順で考える。人の注意で終わらせない。 実施の記録と職場への共有が空のものは、まだ終わっていない。月に一度、空欄の件数を数える。 | |
| 更新日 | 2026-09-15 | |
| 配布元 | 商い屋 製造(https://seizo.akinaiya.com) | |
| 【免責】本様式は一般的な項目を整理した参考資料です。法令で定められた様式そのものではありません。必要な記載事項・保存期間・提出先は、事業の種類・規模・所管行政庁の運用により異なります。実際の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。 | ||
| ヒヤリハット報告書 | |||
| 工場・部署 | |||
| 報告番号 | |||
| 報告日 | |||
| 報告者 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 見つけた人が書く(ここまで書いたら出してよい) | |||
| 発生日時 | 危険の種類 | ||
| 発生場所 | 設備・工具 | ||
| 対象者 | 作業の区分 | ||
| そのときの作業 | 手順書の有無 | ||
| 何が起きかけたか | けがの有無 | ||
| なぜそうしたか | 同種の経験 | ||
| その場の対応 | 上長への報告 | ||
| ② 職場で対策を決める(上長・安全衛生委員会/担当と期限を入れる) | |||
| 対策1(危険源) | 担当・期限 | ||
| 対策2(工学的) | 担当・期限 | ||
| 対策3(手順) | 担当・期限 | ||
| ③ 実施と共有の確認(ここが埋まって終わり) | |||
| 実施の記録 | 確認者 | ||
| 職場への共有 | 共有した範囲 | ||
| この件の完了日 | 完了を確認した人 | ||
| 報告者 | 確認(班長) | 承認(安全衛生委員会) | |
| 備考 | |||
| 商い屋 製造 https://seizo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
| ヒヤリハット報告書 【記入例】 | |||
| 工場・部署 | ○○製作所 第2工場 加工課 | ||
| 報告番号 | 2026-124 | ||
| 報告日 | 2026年8月19日 | ||
| 報告者 | 西野 学 | ||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 見つけた人が書く(ここまで書いたら出してよい) | |||
| 発生日時 | 2026/8/19(水)15:40ごろ | 危険の種類 | 巻き込まれ |
| 発生場所 | 第2工場 加工課 NC旋盤3号機 | 設備・工具 | NC旋盤3号機 |
| 対象者 | 西野 学(勤続3年) | 作業の区分 | 非定常(切りくずの除去) |
| そのときの作業 | 加工中に切りくずが絡んだため、扉を開けて手で取り除こうとした | 手順書の有無 | 無(切りくず除去の手順が未整備) |
| 何が起きかけたか | 主軸が完全に止まる前に手を入れ、回転部と手の距離が10センチ程度まで近づいた | けがの有無 | なし |
| なぜそうしたか | 扉を開けると停止すると思っていたが、この設備は減速のみで停止までに数秒かかる | 同種の経験 | 本人は初めて。他の作業者からも同様の話あり |
| その場の対応 | 手を引き、完全停止を確認してから除去した | 上長への報告 | 8/19 15:50 班長へ報告 |
| ② 職場で対策を決める(上長・安全衛生委員会/担当と期限を入れる) | |||
| 対策1(危険源) | 切りくずが絡みにくいよう、切削条件と工具形状を見直す | 担当・期限 | 製造技術 高木/2026/9/18 |
| 対策2(工学的) | 扉を開けたときに主軸が停止するよう、インターロックの設定を変更する | 担当・期限 | 保全課 中原/2026/8/26 |
| 対策3(手順) | 切りくず除去の手順書を作成し、専用のフックを設備に備え付ける | 担当・期限 | 加工課 田村/2026/9/4 |
| ③ 実施と共有の確認(ここが埋まって終わり) | |||
| 実施の記録 | 8/25 インターロック変更を実施/9/2 手順書とフックを設置 | 確認者 | 安全衛生委員会 大石 |
| 職場への共有 | 8/20 朝礼で共有/8/28 安全衛生委員会で報告 | 共有した範囲 | 第2工場 全員 |
| この件の完了日 | 2026/9/2 | 完了を確認した人 | 安全衛生委員会 大石 一夫 |
| 報告者 | 確認(班長) | 承認(安全衛生委員会) | |
| 西野 学 | 内田 亮 | 大石 一夫 | |
| 備考 | |||
| 同じ設備で、扉を開けたときの挙動を知らない作業者が他にもいた。全設備の停止動作を一覧にして掲示する。 | |||
| 商い屋 製造 https://seizo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
| ヒヤリハット報告書 | |||
| 工場・部署 | |||
| 報告番号 | |||
| 報告日 | |||
| 報告者 | |||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| ① 見つけた人が書く(ここまで書いたら出してよい) | |||
| 発生日時 | 危険の種類 | ||
| 発生場所 | 設備・工具 | ||
| 対象者 | 作業の区分 | ||
| そのときの作業 | 手順書の有無 | ||
| 何が起きかけたか | けがの有無 | ||
| なぜそうしたか | 同種の経験 | ||
| その場の対応 | 上長への報告 | ||
| ② 職場で対策を決める(上長・安全衛生委員会/担当と期限を入れる) | |||
| 対策1(危険源) | 担当・期限 | ||
| 対策2(工学的) | 担当・期限 | ||
| 対策3(手順) | 担当・期限 | ||
| ③ 実施と共有の確認(ここが埋まって終わり) | |||
| 実施の記録 | 確認者 | ||
| 職場への共有 | 共有した範囲 | ||
| この件の完了日 | 完了を確認した人 | ||
| 報告者 | 確認(班長) | 承認(安全衛生委員会) | |
| 備考 | |||
| 商い屋 製造 https://seizo.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 14 KB |
| 更新日 | 2026年9月15日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。工場・部署・報告番号・報告日などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
ヒヤリハット報告書に書く項目
ヒヤリハット報告書に書く項目は、次の6つです。
| 欄 | 中身 |
|---|---|
| いつ・どこで | 日時、場所、設備 |
| 誰が・何をしていたか | 本人、そのときの作業 |
| 何が起きかけたか | 具体的な状況 |
| 危険の種類 | 挟まれ、巻き込まれ、転倒、飛来、感電など |
| その場の対応 | 直した内容 |
| 対策 | 何を変えるか、いつまでに、誰が |
危険の種類を選べる形にしておくと、集計したときに傾向が出ます。件数を数えるだけでなく、種類ごとに分けると、対策の的が絞れます。
製造現場のヒヤリハットで多い場面
製造現場のヒヤリハットは、いくつかの場面に集中します。実務でよく挙がるのは、次の4つです。
- 設備の調整・清掃中。動いている状態で手を入れる
- 通路と運搬。フォークリフト、台車、荷崩れ
- 段取り替え。普段と違う手順、重量物の取り扱い
- 非定常作業。故障対応、初めての作業、応援に入ったとき
ポイントはここです。4つ目は、手順書が無い場面で起きます。手順書のある定常作業より、非定常のほうが危険が大きくなります。
対策を「注意する」で終わらせない
ヒヤリハットの対策は、「注意する」「気をつける」で終わりやすい部分です。実務では、次の順で考えている工場が多くあります。
- 危険源そのものを無くせないか(工程・材料を変える)
- 工学的に防げないか(カバー、インターロック、手すり)
- 手順や表示で防げないか
- 保護具で防げないか
上から順に効果が高くなります。1つ目と2つ目で対応できないかを先に考えると、対策が人に頼らない形になります。
ヒヤリハットを集め続けるために
ヒヤリハットの収集は、始めても続かない工場が少なくありません。実務では、次の形にしている工場が多くあります。
- 書く欄を選択式にして、記入を3分以内に収める
- 報告した人を責めない、と明言する
- 月1回、対策として変えたことを掲示する
3つ目が効いてきます。出したものが形になると、次も出そうという気持ちが続きます。
見つけた人は、どこまで書けばよいか
この様式は、上から3つの区画に分かれています。
| 区画 | 内容 | 書く人 |
|---|---|---|
| ① | いつ・どこで・何が起きかけたか | 見つけた人 |
| ② | 対策と担当・期限 | 上長・安全衛生委員会 |
| ③ | 実施の記録・職場への共有・完了 | 確認した人 |
見つけた人は①だけ埋めて出してよい形にします。対策まで書かせると、対策を思いつかない人は報告しなくなります。
その場で危ないと思ったときは、まず作業を止めて上長に伝えます。用紙はあとでかまいません。用紙を書いてから報告する形にすると、報告そのものが遅れます。
終わっていない報告を見つける
いちばん下に「この件の完了日」と「完了を確認した人」の欄を置いています。
実施の記録と職場への共有が空のままの報告は、集めただけで終わっている報告です。月に一度、完了日が空いている件だけを数えると、止まっているものが見えます。記入者・確認者・承認者の欄も、いちばん下にあります。
よくある質問
報告した人の名前は必要ですか。
確認のための連絡ができるよう、名前を書く形が一般的です。評価に使わないことを明示すると、報告が出やすくなります。名前を書かなくてよい形にしている工場もあります。
ヒヤリハットと労働災害の記録は分けますか。
けががあった場合は、労働災害としての記録が必要になります。休業4日以上の場合は労働者死傷病報告の提出が求められるため、ヒヤリハットとは別に扱う形になります。