製造業向け ヒヤリハット報告書テンプレート
ヒヤリハット報告書は、けがには至らなかったけれど危なかった、という出来事を残す紙です。
挟まれかけた、落ちかけた、切りかけた。製造現場では、この「かけた」が毎日どこかで起きています。集めておくと、事故が起きる前に手を打てます。
労働安全衛生法は、危険を防止するための措置を事業者に求めています。ヒヤリハットの収集そのものは義務ではありませんが、多くの工場が安全活動の中心に置いています。
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このテンプレートは誰向けですか
- 非定常作業での危険を集めたい方
- 対策が「注意する」で終わりがちな職場の方
- 危険の種類ごとに傾向を見たい方
どのような場面で使いますか
1件につき1枚で書きます。けががあった場合は、労働災害としての記録が別に必要になります。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 発生日時
- 危険の種類
- 発生場所
- 設備・工具
- 対象者
- 作業の区分
- そのときの作業
- 手順書の有無
- 何が起きかけたか
- けがの有無
- なぜそうしたか
- 同種の経験
- その場の対応
- 上長への報告
- 対策1(危険源)
- 担当・期限
- 対策2(工学的)
- 対策3(手順)
- 実施の記録
- 確認者
- 職場への共有
- 共有した範囲
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| ヒヤリハット報告書 【記入例】 | |||
| 工場・部署 | ○○製作所 第2工場 加工課 | ||
| 報告番号 | 2026-124 | ||
| 項目 | 記入欄 | 項目 | 記入欄 |
| 発生日時 | 2026/8/19(水)15:40ごろ | 危険の種類 | 巻き込まれ |
| 発生場所 | 第2工場 加工課 NC旋盤3号機 | 設備・工具 | NC旋盤3号機 |
| 対象者 | 西野 学(勤続3年) | 作業の区分 | 非定常(切りくずの除去) |
| そのときの作業 | 加工中に切りくずが絡んだため、扉を開けて手で取り除こうとした | 手順書の有無 | 無(切りくず除去の手順が未整備) |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 13 KB |
| 更新日 | 2026年8月23日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。工場・部署・報告番号・報告日などの欄を先に入れておくと、後から探すときの手がかりになります。
- 項目を上から順に埋めます。記入例シートに書き方の例が入っています。
- 該当しない項目には「該当なし」と入れます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当が無いのかが後から判別できません。
- 提出前に日付と氏名を確認します。この2つが抜けていると差し戻しの原因になります。
- 控えを保存します。ファイル名に日付を入れておくと、後から経過を追えます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
ヒヤリハット報告書に書く項目
ヒヤリハット報告書に書く項目は、次の6つです。
| 欄 | 中身 |
|---|---|
| いつ・どこで | 日時、場所、設備 |
| 誰が・何をしていたか | 本人、そのときの作業 |
| 何が起きかけたか | 具体的な状況 |
| 危険の種類 | 挟まれ、巻き込まれ、転倒、飛来、感電など |
| その場の対応 | 直した内容 |
| 対策 | 何を変えるか、いつまでに、誰が |
危険の種類を選べる形にしておくと、集計したときに傾向が出ます。件数を数えるだけでなく、種類ごとに分けると、対策の的が絞れます。
製造現場のヒヤリハットで多い場面
製造現場のヒヤリハットは、いくつかの場面に集中します。実務でよく挙がるのは、次の4つです。
- 設備の調整・清掃中。動いている状態で手を入れる
- 通路と運搬。フォークリフト、台車、荷崩れ
- 段取り替え。普段と違う手順、重量物の取り扱い
- 非定常作業。故障対応、初めての作業、応援に入ったとき
ポイントはここです。4つ目は、手順書が無い場面で起きます。手順書のある定常作業より、非定常のほうが危険が大きくなります。
対策を「注意する」で終わらせない
ヒヤリハットの対策は、「注意する」「気をつける」で終わりやすい部分です。実務では、次の順で考えている工場が多くあります。
- 危険源そのものを無くせないか(工程・材料を変える)
- 工学的に防げないか(カバー、インターロック、手すり)
- 手順や表示で防げないか
- 保護具で防げないか
上から順に効果が高くなります。1つ目と2つ目で対応できないかを先に考えると、対策が人に頼らない形になります。
ヒヤリハットを集め続けるために
ヒヤリハットの収集は、始めても続かない工場が少なくありません。実務では、次の形にしている工場が多くあります。
- 書く欄を選択式にして、記入を3分以内に収める
- 報告した人を責めない、と明言する
- 月1回、対策として変えたことを掲示する
3つ目が効いてきます。出したものが形になると、次も出そうという気持ちが続きます。
よくある質問
報告した人の名前は必要ですか。
確認のための連絡ができるよう、名前を書く形が一般的です。評価に使わないことを明示すると、報告が出やすくなります。名前を書かなくてよい形にしている工場もあります。
ヒヤリハットと労働災害の記録は分けますか。
けががあった場合は、労働災害としての記録が必要になります。休業4日以上の場合は労働者死傷病報告の提出が求められるため、ヒヤリハットとは別に扱う形になります。