製造業の安全衛生教育の記録|保存期間と計画
公開 2026年9月3日/更新 2026年10月3日
目次11項目
- 1製造業の安全衛生教育とはどの教育を指すか
- 行ったことを示す記録になる
- 誰が何を受けたかを管理できる
- 教育の内容を積み上げられる
- 2製造業の安全衛生教育の種類と対象
- 雇入れ時の教育は雇用の形を問わない
- 作業内容が変わるときも対象になる
- 特別教育の対象作業を確かめる
- 3製造業の安全衛生教育の記録に書く項目
- 科目と時間を残す
- 受けた人の確認を取る
- 教えた人と資格を書く
- 4製造業の安全衛生教育の保存期間
- 特別教育の記録は分けて綴じる
- 社内で決める年数を書いておく
- 修了証は本人のものとして扱う
- 5製造業の安全衛生教育を教育訓練計画書で組む
- 配置と作業から必要な教育を出す
- 年間の予定に割る
- 実施を確認する場を決める
- 6製造業の安全衛生教育の内容を薄くしない
- 自社の実例を題材にする
- 現場で実物を見ながら行う
- 短く回数を分ける
- 7製造業の安全衛生教育を外部に依頼するとき
- 科目と時間を満たせるか確かめる
- 費用と人数で比べる
- 受講の証明を受け取る
- 日程を早めに押さえる
- 社内で行う場合の教える人を育てる
- 8製造業の安全衛生教育を台帳で管理する
- 空欄が抜けになる形にする
- 配置の変更を台帳に反映する
- 期限のある資格を分けて持つ
- 9製造業の安全衛生教育にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- 10製造業の安全衛生教育に出てくる用語
- 11製造業の安全衛生教育と一緒に押さえておきたいこと
- 製造業の安全衛生教育のうち義務になっているもの
- 職長等の教育の時間
- 教育を省略できる場合
安全衛生教育の記録が、すべて同じファイルに綴じられている現場があります。雇入れ時の教育も、特別教育も、社内の勉強会も一緒です。特別教育の記録を求められたときに、探すところから始まります。
一般には、教育の種類ごとに分けて綴じます。種類が分かれていると、求められた記録をすぐ出せます。
とはいえ、記録を分けても、誰が何を受けたかは別に管理が要ります。
ポイントはここです。製造業の安全衛生教育は、種類ごとに分けて残すことで示せる記録になります。
ここでは、どの教育を指すのか、種類と対象、記録に書く項目、そして台帳での管理までを順に整理します。
製造業の安全衛生教育とはどの教育を指すか
製造業の安全衛生教育は、労働安全衛生法にもとづいて行う教育です。場面によって、種類が分かれます。
- 入るとき雇入れ時の教育
- 変わるとき作業内容の変更時
- 危険な作業特別教育
3つとも労働安全衛生法第59条で定められた教育です。3つのうち、記録の保存が定められているのは特別教育です(労働安全衛生規則第38条)。そのうえで、他の教育も記録を残しておく形が一般的です。
行ったことを示す記録になる
教育を実施していても、記録が無ければ示せません。労働基準監督署の調査で、確認される項目です。
記録が残っていると、行ったことを示せます。
誰が何を受けたかを管理できる
人が増えると、誰がどの教育を受けたかが分からなくなります。記録だけでは、受けていない人が拾えません。
そのうえで、人ごとの一覧を作ると抜けが見えます。配置と照らして、必要な教育を受けているかを確認できます。
新しい作業に就かせる前に、この確認をします。
教育の内容を積み上げられる
同じ内容を毎年繰り返していると、伝わる度合いが下がります。記録に内容を残しておくと、前年に何を扱ったかが分かります。
そのうえで、次の年は別の題材を選べます。その年に起きたことを扱う形にすると、内容が変わります。
記録が、次の教育の材料になります。
製造業の安全衛生教育の種類と対象
製造業の安全衛生教育は、種類によって対象になる人が変わります。自社でどれが必要かを、洗い出しておきます。
- 雇入れ時すべての労働者(法59条1項)
- 作業内容の変更時作業が変わる労働者(法59条2項)
- 特別教育定められた危険・有害業務(法59条3項)
- 職長等の教育新たに職長などになる人(法60条)
- 社内の定期教育自主的に行う
上の4つは、法令で定められた教育です。一方で、いちばん下は自主的に行うものになります。
| 種類 | 対象 | 記録の扱い |
|---|---|---|
| 雇入れ時 | 雇い入れた労働者 | 法令の定めなし。社内で年数を決めて残す |
| 作業内容の変更時 | 作業内容が変わる労働者 | 同じく社内で決める |
| 特別教育 | 定められた危険・有害業務 | 3年間の保存が定められている(安衛則38条) |
| 職長等の教育 | 新たに職長などになる人 | 法令の定めなし。社内で残す |
| 社内の定期教育 | 全員か対象を決める | 社内で残す |
右の列は、記録の扱いです。そのうえで、特別教育だけが保存の年数を定められています。
雇入れ時の教育は雇用の形を問わない
正社員だけでなく、パートや期間の定めがある人も対象になります。短い期間の雇用でも、同じです。
そのうえで、派遣で受け入れる場合の扱いも確認しておきます。雇入れ時の教育は雇い主である派遣元が行い、特別教育は派遣先が事業者とみなされて行うと定められています(労働者派遣法第45条)。
雇い入れの手続きに組み込んでおくと、抜けません。
作業内容が変わるときも対象になる
同じ人でも、配置が変わったときに教育が必要になります。別の設備、別の工程、別の作業。
配置が変わるときも対象になることを押さえておきます。
特別教育の対象作業を確かめる
特別教育が必要な業務は、労働安全衛生規則第36条で定められています。研削といしの取替え、動力プレスの金型や安全装置の取付け、アーク溶接、最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転、特定粉じん作業。
そのうえで、自社の作業がどれに該当するかを一覧にします。新しい設備を入れたときも、確認します。
該当するか分からない場合は、労働基準監督署に確認します。
製造業の安全衛生教育の記録に書く項目
製造業の安全衛生教育の記録は、種類と内容を残し、受けた人の確認まで取ります。実施したことが読み取れる形にします。
- 1 教育の種類 雇入れ時か特別教育か
- 2 日時 実施した日と時間
- 3 対象者 氏名と所属
- 4 内容 科目と時間
- 5 実施者 教えた人と資格
- 6 確認 受けた人の署名
この6つがあれば、記録として成立します。そのうえで、種類を最初に書いておくと分類が楽になります。
科目と時間を残す
特別教育には、科目と時間が定められているものがあります。実施した科目ごとに、時間を記録します。
そのうえで、定められた時間を満たしているかが確認できます。科目名だけだと、時間の要件が示せません。
学科と実技を分けて書く形にします。
受けた人の確認を取る
受けた人の署名をもらう形にします。名簿に印を付けるだけだと、実際に出ていたかが示せません。
受けた人の確認を取ると、記録が確かなものになります。
教えた人と資格を書く
誰が教えたかを記録に残します。特別教育の講師について、規則に資格の定めは置かれていません。
そのうえで、科目についての知識や経験を書いておきます。外部に依頼した場合は、機関名を書きます。
教えた人の経験が記録から読み取れると、内容を問われたときに説明しやすくなります。
製造業の安全衛生教育の保存期間
製造業の安全衛生教育の記録の保存期間は、種類によって扱いが変わります。特別教育だけが、年数を定められています。
- 3年特別教育の記録(安衛則38条)
- 定めなし雇入れ時・作業内容変更時の教育
- 定めなし職長等の教育
- 社内で決める社内の定期教育
特別教育は3年間の保存が定められています。そのうえで、他の教育は社内で年数を決めます。
特別教育の記録は分けて綴じる
特別教育の記録は、他の教育と分けて綴じます。求められたときに、すぐ出せる形になります。
そのうえで、対象の作業ごとに分ける方法もあります。研削といし、アーク溶接、フォークリフト。
作業ごとに分かれていると、誰が受けているかも数えられます。
社内で決める年数を書いておく
法令で定められていない教育の記録も、年数を決めて残します。在職中は残す、という決め方もあります。
決めた年数を書いておくと、廃棄の判断で迷いません。
修了証は本人のものとして扱う
特別教育や技能講習の修了証は、本人に交付されるものです。会社は写しを保管する形が一般的です。
そのうえで、本人が携行する必要がある作業もあります。原本を会社で預かる形にすると、その場面で困ります。
写しを人ごとのファイルに綴じておきます。
製造業の安全衛生教育を教育訓練計画書で組む
教育を思いついたときに行う形だと、抜けが出ます。年間の計画に落として、実施を確認する形にします。
- 必要な教育を洗い出したか はい次へ いいえ配置と作業から洗い出す
- 受けていない人が分かるか はい次へ いいえ台帳を作る
- 年間の予定に落としたか はい次へ いいえ月ごとに割る
- 実施を確認しているか はい回る形になっている いいえ確認する場を決める
洗い出しから年間の予定へ落として、実施まで確認する
4つを順に進めると、教育が計画として動きます。そのうえで、最初の洗い出しが土台になります。
配置と作業から必要な教育を出す
誰がどの作業に就いているかを並べ、必要な教育を出します。特別教育の対象作業に就いている人は、受講が必要です。
そのうえで、今後の配置も見込みます。異動の予定がある人は、事前に受けておきます。
洗い出しの結果を、台帳の列にします。
年間の予定に割る
洗い出した教育を、12か月に割ります。外部の講習は、開催の日程に合わせます。
そのうえで、繁忙期を避けて配置します。参加できない月に入れると、受講が遅れます。
新しく入る人の分は、別に見込んでおきます。
実施を確認する場を決める
計画に入れても、実施を確認する場がないと流れます。安全衛生委員会の議題に入れる形が扱いやすくなります。
実施を確認する場を決めると、計画が動きます。
製造業の安全衛生教育の内容を薄くしない
製造業の安全衛生教育の中身は、題材と場所と長さで変わります。資料を読み上げるだけだと、記憶に残りません。
身に付く形
- 自社の実例を使う
- 実物や現場で行う
- 短く回数を分ける
- 話し合う時間を取る
薄くなる形
- 一般的な事例だけ
- 会議室で資料を読む
- 長時間を一度に
- 一方的に話す
左は、聞く側が自分の作業と結びつけられる形です。一方で右は、他人事として聞かれます。
自社の実例を題材にする
自社で起きたヒヤリハットや災害を題材にします。同じ設備、同じ作業なので、場面が思い浮かびます。
そのうえで、個人が特定されない形にします。責める場ではなく、共有する場にします。
記録が集まっていると、題材に困りません。
現場で実物を見ながら行う
会議室で説明するより、現場で実物を見ながら行うほうが伝わります。どの部分が危険か、どこに手を入れてはいけないか。
そのうえで、実際に動かしてみせる方法もあります。安全装置の動き、非常停止の位置。
短い時間でも、現場で行うと残ります。
短く回数を分ける
社内で自主的に行う教育は、長い時間を年1回より、短い時間を何回かに分けるほうが扱いやすいという考え方もあります。一度に多くを詰め込んでも、覚えきれません。法令で時間が定められている特別教育や職長等の教育は、その時間を満たす形で組みます。
そのうえで、朝礼の後などに組み込むと参加しやすくなります。シフトの調整も楽になります。
回数を分けると、題材も具体的に絞れます。
製造業の安全衛生教育を外部に依頼するとき
特別教育は、社内で行う形と外部に依頼する形があります。どちらを選ぶかは、教えられる人と人数で決まります。
- 社内に教えられる人がいるか はい次へ いいえ外部に依頼する
- 定められた科目と時間を満たせるか はい社内で行える形 いいえ外部に依頼する
- 対象の人数が多いか はい社内で行う検討 いいえ外部の講習に出す
- 記録を自社で残せるか はいどちらでも回る いいえ受講の証明を受け取る
教えられる人と人数で、社内か外部かを決める
社内で行えると、費用と日程の自由度が上がります。そのうえで、要件を満たせるかが分かれ目になります。
科目と時間を満たせるか確かめる
特別教育の科目と時間は、業務ごとに厚生労働大臣の告示(安全衛生特別教育規程など)で定められています。社内で行う場合も、その要件を満たす必要があります。
科目と時間を先に確かめると、やり直しになりません。
費用と人数で比べる
外部の講習は、1人あたりの費用がかかります。人数が多いと、社内で行うほうが安くなることがあります。
そのうえで、教える人の準備にかかる時間も見ます。資料を作り、時間を確保する手間があります。
年に1人か2人であれば、外部に出すほうが早く済みます。
外部の講習は、開催の日程が限られます。そのため、年間の計画に入れておきます。
受講の証明を受け取る
外部の講習を受けた場合、修了証や受講の証明を受け取ります。その写しを、社内の記録として保管します。
そのうえで、台帳にも受講日を記入します。証明書だけを保管していると、誰が受けたかを数えられません。
原本は本人に渡し、写しを会社で持ちます。
修了証を紛失した場合、再交付に時間がかかります。写しがあると、その間の証明になります。
日程を早めに押さえる
外部の講習は、定員がある場合があります。希望の日程が取れないこともあります。
そのうえで、配置の予定が決まった時点で申し込みます。受講が間に合わないと、その作業に就かせられません。
年度の初めに、その年の受講予定を立てておきます。
新しい設備を入れる計画があるときは、その時点で確認します。設備が入ってから受講の手配をすると、稼働が遅れます。
社内で行う場合の教える人を育てる
社内で特別教育を行うには、教えられる人が要ります。知識と経験を持つ人を、あらかじめ育てておきます。
そのうえで、外部の講習に出して学んでもらう方法もあります。教える側の講習が用意されている場合があります。
1人だけだと、その人が休んだときに止まります。
教える人が複数いると、内容もそろってきます。そのうえで、資料を共有しておくと引き継げます。
資料は、法令の改正に合わせて見直します。
社内で行うと、自社の設備を使って教えられます。実際に使う機械で説明できるのが、社内で行う利点になります。
そのうえで、記録も自社の様式で残せます。
製造業の安全衛生教育を台帳で管理する
記録だけでは、受けていない人が拾えません。人と教育の表を作ると、抜けが見えます。
- 1 人を行にする 氏名と所属
- 2 教育を列にする 種類ごとに
- 3 受けた日を入れる 空欄が抜け
- 4 配置と突き合わせる 必要な教育を見る
- 5 計画に反映 受けていない分を組む
人を縦、教育を横に並べると、交差する部分が受講の記録になります。そのうえで、空欄が受けていない部分です。
空欄が抜けになる形にする
必要な教育の列を作り、受けた日を入れます。空欄が残っていれば、受けていないことが分かります。
そのうえで、対象外の場合は斜線を引きます。その作業に就いていない人は、対象になりません。
空欄と斜線を分けると、抜けだけが見えます。
配置の変更を台帳に反映する
配置が変わると、必要な教育も変わります。台帳の対象欄を更新します。
配置の変更を台帳に反映すると、抜けが見つかります。
期限のある資格を分けて持つ
特別教育の修了そのものに期限は無いことが多くありますが、再教育の目安が示されているものがあります。
そのうえで、期限のある資格は別の欄で管理します。免許の更新、健康診断の受診。
期限のあるものと無いものを混ぜると、管理が難しくなります。
製造業の安全衛生教育にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
製造業の安全衛生教育は、化学物質の規制の見直しにあわせて、2023年と2024年に対象と中身が広がりました。2026年には、改正労働安全衛生法の施行も始まっています。
| 時期 | 動き | 根拠 |
|---|---|---|
| 2023年4月1日 | 職長等の教育の対象業種に、食料品製造業の全体と、新聞業・出版業・製本業・印刷物加工業が加わった(労働安全衛生法施行令第19条) | 厚生労働省 |
| 2024年4月1日 | 雇入れ時等の教育で、一部の業種に認められていた教育項目の省略の規定が廃止された(労働安全衛生規則第35条) | 厚生労働省 |
| 2025年5月14日 | 改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)が公布された | 厚生労働省 |
| 2026年4月1日 | 注文者や機械を貸す側の措置の対象が、一人親方などを含む作業従事者に広がった | 厚生労働省 |
| 2026年5月27日 | 令和7年の労働災害の確定値が公表された。製造業の死亡は115人、全産業の休業4日以上の死傷者は135,333人 | 厚生労働省 |
食料品の工場では、2023年4月から、新しく職長や班長になる人に職長等の教育を行う形になりました。対象になった工場では、すでに職長になっている人の受講状況も台帳で確かめておくと、説明しやすくなります。
出典:広島労働局:化学物質規制の見直しの概要(PDF)、兵庫労働局:職長等教育の対象業種の拡大、厚生労働省:改正労働安全衛生法の概要(PDF)、厚生労働省:令和7年の労働災害発生状況、e-Gov法令検索:労働安全衛生規則
確認日は2026年10月3日です。自社の業種が職長等の教育の対象か、どの業務が特別教育に当たるかは、所轄の労働基準監督署で確かめられます。
製造業の安全衛生教育に出てくる用語
製造業の安全衛生教育に出てくる用語は、労働安全衛生法と規則の条文で定められているものが中心です。社内の呼び方と条文の言葉がずれていると、記録を出したときに伝わりにくくなります。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 雇入れ時等の教育 | 雇い入れたときと作業内容を変えたときに、遅滞なく行う教育。機械の危険性や作業手順など8つの事項 | 労働安全衛生法第59条第1項・第2項、労働安全衛生規則第35条 |
| 特別教育 | 危険または有害な業務に就かせるときに行う教育 | 労働安全衛生法第59条第3項、労働安全衛生規則第36条 |
| 職長等の教育 | 新たに職長など作業者を直接指導・監督する立場に就く人への教育。作業主任者は除く | 労働安全衛生法第60条、労働安全衛生法施行令第19条 |
| 技能講習 | 登録教習機関が行う講習。修了すると就ける業務がある | 労働安全衛生法第61条・第76条 |
| 科目の省略 | 十分な知識と技能があると認められる人について、教育の一部を省くこと | 労働安全衛生規則第35条第2項・第37条 |
| 教育訓練計画書 | 年間の教育の予定をまとめた社内の書類 | 法令上の定義はない |
ポイントは、職長等の教育は「職長」という肩書きではなく、作業者を直接指導・監督する立場かどうかで決まることです。班長やリーダーと呼んでいる人も、対象になることがあります。
製造業の安全衛生教育と一緒に押さえておきたいこと
製造業の安全衛生教育について調べると、教育の種類の一覧はよく見つかります。そのうえで、実務で迷いやすいのは、義務の範囲、職長等の教育の時間、教育の省略の3つです。
製造業の安全衛生教育のうち義務になっているもの
製造業の安全衛生教育のうち、事業者の義務と定められているのは、雇入れ時等の教育、特別教育、職長等の教育です(労働安全衛生法第59条・第60条)。一方で、危険または有害な業務に就いている人への定期の教育などは、努力義務とされています(労働安全衛生法第60条の2)。
社内の教育訓練計画書には、義務の教育と努力義務の教育を分けて書くと、抜けたときの重さが見分けられます。
職長等の教育の時間
製造業の職長等の教育は、事項ごとに時間が定められていて、合計で12時間以上になります(労働安全衛生規則第40条第2項)。作業手順の定め方と労働者の配置で2時間、指導と監督の方法で2.5時間、危険性または有害性等の調査とその結果に基づく措置などで4時間、異常時と災害発生時の措置で1.5時間、設備と作業場所の保守管理などで2時間です。
外部の講習に出す場合も、修了の記録と時間を台帳に書いておきます。
教育を省略できる場合
製造業の安全衛生教育は、十分な知識と技能があると認められる人について、事項や科目の一部を省略できると定められています(労働安全衛生規則第35条第2項・第37条・第40条第3項)。中途採用で前の職場で同じ特別教育を受けている人などが当たります。
そのうえで、省略した理由と根拠の書類を記録に残します。修了証の写しなど省略の根拠を綴じておくと、後から問われたときに示せます。
様式は安全衛生教育・特別教育 記録テンプレート、教育訓練計画書からダウンロードできます。題材はヒヤリハット報告書にまとめています。

よくある質問
安全衛生教育の記録は何年保存するのですか。
種類によって違います。特別教育の記録は、受講者や科目などを記録して3年間保存すると定められています(労働安全衛生規則第38条)。雇入れ時の教育や職長等の教育には保存の年数の定めが置かれていないため、社内で年数を決めて残す形が広く使われています。
雇入れ時の教育はパートやアルバイトにも必要ですか。
雇い入れた労働者が対象になるため、雇用の形にかかわらず行う形になります(労働安全衛生法第59条第1項)。作業の内容を変えたときにも教育が求められます(同条第2項)。2024年4月1日からは、業種による教育項目の省略が無くなり、すべての事業場で8つの事項を教育する形になりました。
修了証は会社が保管するのですか。
技能講習の修了証は、受けた本人に交付されるものです。特別教育は法令で修了証の交付が求められているわけではありませんが、外部の講習では修了証が出ることが多くあります。会社は実施の記録と写しを持ち、原本は本人が持つ形が扱いやすくなります。