製造業の段取り替えとは|時間短縮と記録の進め方
公開 2026年9月3日/更新 2026年10月3日
目次11項目
- 1製造業の段取り替えとは何を指すか
- 止まっている時間がそのまま損失になる
- 記録がないと改善が測れない
- ロットの大きさの判断にも使う
- 2製造業の段取り替え記録に書く項目
- 良品が出た時刻を終わりにする
- 品種の組み合わせで残す
- 手間取った点をその場で書く
- 3製造業の内段取りと外段取りの分け方
- 工具と材料の準備を外に出す
- 台車で丸ごと入れ替える
- 2人で並行して行う
- 4製造業の段取り替えの時間を短くする
- 条件を数値で残す
- 治具の高さをそろえる
- 工具を使わない締結にする
- 5製造業の段取り替えと生産計画のつなぎ方
- 似た品種を続けて流す
- 段取りの時間を計画に入れる
- 短くなったら計画も直す
- 6製造業の段取り替えを手順書にする
- 分担を書いておく
- 安全の手順を入れる
- 初品の確認を手順に入れる
- 7製造業の段取り替えでつまずきやすいところ
- まず時刻だけを記録する
- 改善する期間だけ詳しく取る
- 短くなった結果を現場に返す
- 8製造業の段取り替えを続く形にする
- 設備ごとに担当を決める
- 平均と最短を並べて見る
- 新しい設備を入れるときに条件を出す
- 9製造業の段取り替えにかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- 10製造業の段取り替えに出てくる用語
- 11製造業の段取り替えと一緒に押さえておきたいこと
- 時間を短くするときに安全の手順を削らない
- 動力プレスの金型の交換
- 段取り替えの時間の数え方をそろえる
段取り替えに時間がかかっている、という話はどの現場でも出ます。一方で、実際に何分かかっているかを聞くと、答えが返ってこないことがあります。測っていないためです。
一般には、設備を止めた時刻と、良品が出た時刻を記録します。どこに時間がかかっているかが分かると、手を入れる場所が決まります。
とはいえ、切替の最中に細かく書くのは現実的ではありません。だからこそ、まず時刻だけを残す形から始めます。
ポイントはここです。製造業の段取り替えは、時間を測るところから始めることで短くする場所が決まります。
ここでは、何を指すのか、記録に書く項目、内段取りと外段取りの分け方、そして手順書にするところまでを順に整理します。
製造業の段取り替えとは何を指すか
製造業の段取り替えは、生産する品種を切り替える作業を指します。金型の交換、材料の入れ替え、条件の設定、初品の確認までが含まれます。
- 外す前の型と材料
- 付ける次の型と材料
- 合わせる条件の調整と確認
いちばん時間がかかるのは、条件を合わせて最初の1個を確認する部分です。
外して付ける作業は手順が決まっていますが、条件合わせは試行が入ります。
止まっている時間がそのまま損失になる
段取り替えの間、設備は動いていません。その時間は、生産に使えなかった時間になります。
1回30分の切替が1日3回あれば、90分の停止です。そのうえで、月に20日稼働すれば30時間になります。
数字にすると、手を入れる価値が判断できます。
記録がないと改善が測れない
段取り替えを短くする取組をしても、前後を比べる材料が要ります。感覚で「早くなった」と言っても、続けるかどうかの判断ができません。
時間を測っていないと、改善したかどうかも分かりません。
ロットの大きさの判断にも使う
段取り替えに時間がかかると、まとめて作りたくなります。その結果、ロットが大きくなり、在庫が増えます。
そのため、切替の時間が短くなると、小さいロットで流せるようになります。在庫を減らす取組の前提として、段取りの時間が関わります。
計画を立てるときにも、実際の時間が分かっていると精度が上がります。
製造業の段取り替え記録に書く項目
製造業の段取り替え記録は、止めた時刻から良品が出た時刻までを1回として測ります。途中の内訳は、改善する期間だけ取る形が現実的です。
- 1 前の品種 何を作っていたか
- 2 次の品種 何に切り替えるか
- 3 開始の時刻 設備を止めた時刻
- 4 終了の時刻 良品が出た時刻
- 5 作業の内容 かかった作業
- 6 手間取った点 次に直す材料
この6つがあれば、後から分析できます。そのうえで、最後の「手間取った点」が改善の入口になります。
| 項目 | 書き方 | 使い道 |
|---|---|---|
| 品種の組み合わせ | 前と次の品番 | 組み合わせごとの時間 |
| 開始の時刻 | 分まで | 止まった時間の起点 |
| 終了の時刻 | 良品が出た時刻 | 調整の時間も含む |
| 担当者 | 氏名か記号 | 手順の差を見る |
| 手間取った点 | 短い言葉で | 改善の材料 |
| 試作の数 | 調整で出た数 | 材料の損失 |
右の列は、その項目が何に使えるかです。そのうえで、試作の数を残しておくと、材料の損失も見えます。
良品が出た時刻を終わりにする
段取り替えの終わりを、型を付け終えた時点にすると実態より短く出ます。条件を合わせる時間が入らないためです。
そのため、良品が出た時刻を終わりにします。検査で合格した最初の1個が出た時点です。
この決め方を現場でそろえておかないと、記録が比べられません。
品種の組み合わせで残す
同じ設備でも、何から何に切り替えるかで時間が変わります。似た品種なら短く、条件が大きく違えば長くなります。
そのため、前と次の品番を対で記録します。組み合わせごとに平均を出すと、時間のかかる組み合わせが見つかります。
計画を組むときに、その組み合わせを避ける判断もできます。
手間取った点をその場で書く
何に時間を取られたかは、その場でしか思い出せません。「治具が見つからなかった」「ボルトが固かった」。
その場で書いた一言が、次の改善の材料になります。
製造業の内段取りと外段取りの分け方
製造業の段取り替えを短くする基本は、設備を止めずにできる作業を外へ出すことです。外へ出せる作業が残っていると、その分だけ停止時間が延びます。
- 設備を止めないとできない作業か はい内段取りに残す いいえ次へ
- 前もって準備できる作業か はい外段取りに移す いいえ次へ
- 別の人が並行してできる作業か はい分担して並行させる いいえ次へ
- そもそも要らない作業か はいやめる いいえ内段取りとして短くする
外に出す・並行させる・やめるの順に検討すると、内段取りが減る
外に出せる作業を移すだけで、止まっている時間が短くなります。
工具と材料の準備を外に出す
次に使う型、治具、工具、材料を、切替の前に設備の横へ運んでおきます。止めてから取りに行くと、その往復が停止時間に入ります。
そのため、前の生産をしている間に準備する形にします。そのうえで、置き場所を決めておくと探す時間も消えます。
準備が済んだかを確認する欄を、記録の様式に作っておく方法もあります。チェックが入っていない状態で止めると、外段取りが漏れます。
準備の担当を分けておくと、生産している人の手を止めずに済みます。段取り替えの直前に、準備できているかを一声かける形にすると確実です。
台車で丸ごと入れ替える
型と治具と工具を台車に載せておき、台車ごと入れ替える方法があります。1つずつ運ぶより、動作の回数が減ります。
そのうえで、台車の上の配置を決めておくと、探す時間もなくなります。使う順に並べておくと、手を伸ばすだけで取れます。
外した前の型は、同じ台車に載せて戻します。片付けも切替の一部なので、後回しにすると次の切替で探すことになります。
台車の数は、品種の数だけ必要ではありません。よく使う組み合わせの分だけあれば足ります。
2人で並行して行う
1人で順に行っていた作業を2人で分けると、止まっている時間が短くなります。片方が型を外し、もう片方が次の型を準備する形です。
そのうえで、分担を決めておかないと、同じ作業を2人で待つことになります。手順書に、誰が何をするかを書いておきます。
人を増やせない場合でも、切替の時間だけ応援に入る形が取れます。
製造業の段取り替えの時間を短くする
段取り替えを短くする手には、効きやすさの順序があります。費用のかからないものから当たると、早く成果が出ます。
外段取りへ移すことが、いちばん早く効きます。
いちばん下は効果が大きい一方、設備を改造する費用がかかります。
条件を数値で残す
条件合わせに時間がかかるのは、前回の設定が残っていないためです。温度、圧力、速度、位置。これらを品種ごとに数値で残しておきます。
条件を数値で残すと、勘で合わせる時間がなくなります。
そのうえで、良品が出たときの数値を記録に残す形にします。次の切替で、その数値から始められます。
治具の高さをそろえる
型や治具の取付高さがばらばらだと、そのつど調整が要ります。高さをそろえておくと、位置合わせの時間が消えます。
そのうえで、位置決めのピンやストッパーを付ける方法もあります。当てるだけで位置が決まる形にすると、測る作業が要らなくなります。
新しい型を作るときに、この条件を仕様に入れておきます。
工具を使わない締結にする
ボルトを何本も外す作業は、時間がかかります。クランプやワンタッチの締結に変えると、工具が要らなくなります。
そのうえで、ボルトを使う場合も、本数を減らせないかを見ます。必要な強度が出ていれば、本数を減らせることがあります。
設備の改造には費用がかかるため、効果を数字で示してから判断します。
製造業の段取り替えと生産計画のつなぎ方
製造業の段取り替えの時間は、生産計画の組み方に影響します。時間が長いほど、まとめて作りたくなります。
段取りをまとめる
- 似た品種を続ける
- 切替の回数が減る
- ロットが大きくなる
- 在庫が増える
納期を優先する
- 納期の順に流す
- 切替の回数が増える
- ロットが小さい
- 在庫が減る
左は在庫が増え、右は切替が増えます。そのうえで、段取りの時間が短くなると、右へ寄せられるようになります。
似た品種を続けて流す
条件の近い品種を続けて流すと、調整の時間が短くなります。色の薄い順、サイズの近い順といった並びです。
そのうえで、記録から組み合わせごとの時間が分かっていると、順序を決められます。時間のかかる組み合わせを避けるだけで、1日の停止時間が変わります。
納期との兼ね合いがあるため、すべてを順序で決めることはできません。そのため、余裕のある品種だけを並べ替える形にします。
計画を立てる人が、切替の時間を把握していることが前提になります。
段取りの時間を計画に入れる
生産計画に段取りの時間を入れていないと、計画どおりに進みません。切替のたびに遅れが積み上がります。
そのうえで、実際にかかっている時間を計画に入れます。記録があれば、組み合わせごとの平均が使えます。
計画と実績の差が小さくなると、納期の約束もしやすくなります。
余裕を見すぎると、逆に生産量が落ちます。平均ではなく、実績の8割程度が収まる時間を使う形もあります。
短くなったら計画も直す
段取りの時間が短くなったら、計画に入れる時間も直します。古い時間のまま計画を組むと、改善が生産量に反映されません。
そのうえで、短くなった分をどう使うかも決めます。生産量を増やすのか、ロットを小さくするのか。
決めていないと、余った時間が別のところで消えます。
改善の効果を数字で示すには、この段階まで進める必要があります。時間が短くなっただけでは、経営の判断材料になりません。
製造業の段取り替えを手順書にする
製造業の段取り替えの手順を書いておくと、担当者による差が減ります。経験の浅い人でも、同じ順序で進められます。
- 1 外段取り 前の生産中にすること
- 2 停止 安全の確認
- 3 取り外し 前の型と材料
- 4 取り付け 次の型と材料
- 5 条件の設定 数値で合わせる
- 6 初品の確認 検査して良品を確認
最初に外段取りを置くのは、そこが抜けやすいためです。そのうえで、最後の初品確認まで手順に入れておきます。
分担を書いておく
2人で行う場合、誰が何をするかを書いておきます。書いていないと、同じ作業を2人で待つ場面が出ます。
そのうえで、1人のときの手順も併せて書いておきます。人数によって順序が変わるためです。
手順書を2種類作るより、欄を分けて書く形が扱いやすくなります。
安全の手順を入れる
段取り替えは、設備の内部に手を入れる作業です。電源の遮断、残圧の開放、可動部の固定。
安全の手順は手順書の中に置くと、飛ばされません。
初品の確認を手順に入れる
条件を合わせた後、最初の1個を検査します。この確認を手順に入れていないと、不良を流す原因になります。
そのうえで、何を測るかも書いておきます。寸法、外観、重量。品種によって見るところが変わります。
初品の記録を残しておくと、後から不良が出たときに追えます。
初品が合格しなかった場合の手順も書いておきます。条件をどう変えるか、誰に相談するか。
そのうえで、何回まで試して駄目なら止めるかも決めておきます。
製造業の段取り替えでつまずきやすいところ
製造業の段取り替えの記録が続かない原因は、書く量にあります。切替の最中に詳しく書くのは、現実的ではありません。
いちばん上なら、切替のたびに書けます。そのうえで、詳しく取るのは改善する期間だけにします。
まず時刻だけを記録する
始めるときは、開始と終了の時刻だけで足ります。品番と担当者を足しても、10秒程度です。
そのうえで、数か月分たまると平均が出ます。どの設備、どの組み合わせに時間がかかっているかが見えます。
最初から詳しく取ろうとすると、記録そのものが止まります。
改善する期間だけ詳しく取る
手を入れる設備が決まったら、その設備だけ内訳を取ります。外す作業に何分、付ける作業に何分、条件合わせに何分。
そのうえで、期間を区切ります。2週間なら現場も協力できます。ずっと詳しく取る形にすると、負担が続きます。
内訳が分かれば、どこを短くするかが決まります。
短くなった結果を現場に返す
記録を取っても、結果が返ってこないと書く意味が感じられません。月に1回、平均の時間を掲示する形にします。
そのうえで、短くなった分が何につながったかも伝えます。生産量が増えた、残業が減った。
数字が返ってくると、記録が続きます。
製造業の段取り替えを続く形にする
製造業の段取り替えの改善は、一度で終わるものではありません。測る、分ける、直すを繰り返す形になります。
- 測る毎回の時刻
- 分ける内と外に仕分ける
- 直す手順と治具
3つが回ると、少しずつ短くなっていきます。そのうえで、直した後にまた測ることが大事な部分です。
設備ごとに担当を決める
設備ごとに、段取りの改善を見る担当を決めておきます。全体で見ようとすると、誰も見ない状態になります。
そのうえで、月に1回、担当が記録を見る時間を作ります。数分で済む作業です。
担当がいると、記録の抜けにも気づけます。
平均と最短を並べて見る
平均だけを見ていると、改善の余地が分かりません。最短の記録と並べると、その差が縮められる幅になります。
そのうえで、最短が出たときの条件を聞き取ります。何が違ったのかが分かれば、標準にできます。
上手な人のやり方を手順書に反映する形になります。
新しい設備を入れるときに条件を出す
段取り替えの時間は、設備の作りで決まる部分があります。新しい設備を選ぶときに、切替のしやすさを条件に入れておきます。
そのうえで、いま困っている点を具体的に伝えます。型の交換にボルトが12本要る、条件の呼び出しができない。
導入してから直すより、選ぶ段階で決めるほうが確実です。
製造業の段取り替えにかかわる最近の動き(2026年10月時点)
製造業の段取り替えは、型や治具を付け直すために、設備の危険な範囲へ手を入れる作業です。そのため、2023年からの労働災害防止の計画と、改正労働安全衛生法の施行の両方にかかわります。
| 時期 | 動き | 根拠 |
|---|---|---|
| 2023年3月 | 第14次労働災害防止計画(2023年度〜2027年度)が策定された。製造業の機械による「はさまれ・巻き込まれ」の死傷者数を、2027年までに2022年と比べて5%以上減らす目標が置かれた | 厚生労働省 |
| 2025年5月14日 | 改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)が公布された | 厚生労働省 |
| 2026年1月1日 | 特定自主検査は、厚生労働大臣の定める基準に従って行うことが義務になった。動力プレスも特定自主検査の対象に含まれる(労働安全衛生法施行令第15条第2項) | 厚生労働省 |
| 2026年4月1日 | 注文者や機械を貸す側の措置の対象が、一人親方などを含む作業従事者に広がった | 厚生労働省 |
| 2026年5月27日 | 令和7年の労働災害の確定値が公表された。製造業の死亡115人のうち47人が「はさまれ・巻き込まれ」で、休業4日以上でも5,992人と事故の型の中で最も多い | 厚生労働省 |
段取り替えの手順書に止めて錠を掛ける手順を入れておくことは、この目標に沿った対策の1つになります。切替の応援に外部の人や一人親方が入る工場では、その人にも同じ手順を渡しておくと安心です。
出典:厚生労働省:第14次労働災害防止計画(PDF)、厚生労働省:改正労働安全衛生法の概要(PDF)、厚生労働省:特定自主検査の基準の告示、厚生労働省:令和7年の労働災害発生状況、e-Gov法令検索:労働安全衛生法施行令
確認日は2026年10月3日です。対象の機械と、止めるときの措置は、所轄の労働基準監督署で確かめられます。
製造業の段取り替えに出てくる用語
製造業の段取り替えに出てくる用語の多くは、生産管理の語です。一方で、安全の手順の部分には、労働安全衛生規則の語が出てきます。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 段取り替え | 品種を切り替えるために、型・治具・材料・条件を入れ替える作業 | 法令上の定義はない |
| 内段取り | 設備を止めないとできない段取りの作業 | 法令上の定義はない |
| 外段取り | 設備を動かしたまま、前もってできる段取りの作業 | 法令上の定義はない |
| シングル段取り | 段取り替えの時間を10分未満にすること | 法令上の定義はない |
| 初品 | 切替のあとに最初にできた製品。検査して条件を確かめる | 法令上の定義はない |
| 運転の停止 | 機械の掃除・給油・検査・修理・調整で危険のおそれがあるとき、運転を止めること | 労働安全衛生規則第107条第1項 |
| 起動装置の錠と表示板 | 止めた機械を、作業している人以外が動かさないための措置 | 労働安全衛生規則第107条第2項 |
| 安全ブロック | 動力プレスの金型の取付け・取外し・調整で、スライドの不意の下降を防ぐ道具 | 労働安全衛生規則第131条の2 |
段取り替えで条件を合わせる作業は、条文の「調整の作業」に当たることがあります。危険のおそれがあれば、段取り替えの調整も運転を止めて行う作業になります(労働安全衛生規則第107条)。
製造業の段取り替えと一緒に押さえておきたいこと
製造業の段取り替えについて調べると、時間を短くする手法の説明はよく見つかります。そのうえで、実務で聞かれやすいのは、短くするときの安全、動力プレスの金型の交換、時間の数え方の3つです。
時間を短くするときに安全の手順を削らない
製造業の段取り替えの時間を測り始めると、止める・錠を掛ける・表示を付けるといった手順が、短くする対象に見えることがあります。条文では、機械の検査・修理・調整で危険のおそれがあるときは運転を止め、起動装置に錠を掛けるなどの措置を講じることが定められています(労働安全衛生規則第107条)。
安全の手順は短くする対象から外して、記録の上でも別に数えます。そのうえで、錠や表示板を型の台車に載せておくと、準備は外段取りとして前に済ませられます。
動力プレスの金型の交換
動力プレスの金型の取付け・取外し・調整で、体の一部が危険限界に入るときは、安全ブロックを使わせるなどの措置が求められています(労働安全衛生規則第131条の2)。安全ブロックの置き場を型の台車と一緒に決めておくと、取りに行く時間も外段取りに移せます。
動力プレスは特定自主検査の対象でもあります(労働安全衛生法施行令第15条第2項)。そのため、段取り替えの記録に「スライドの止まり方がおかしい」といった気づきが出たら、検査の記録とあわせて見ておくと、異常の見落としが減ります。
段取り替えの時間の数え方をそろえる
段取り替えの時間は、終わりを「型を付け終えた時点」にするか「良品が出た時点」にするかで、大きく変わります。工場や設備の間で比べるときは、終わりの決め方を文書にしておきます。
設備総合効率を計算している工場では、段取り・調整の時間は、設備が止まっていた損失の1つとして数えられるのが一般的です。同じ数え方にそろえておくと、段取り替えの記録をそのまま効率の計算に使えます。
様式は段取り替え記録テンプレートからダウンロードできます。手順は作業手順書、計画は生産計画表にまとめています。

よくある質問
段取り替えの記録は毎回書くのですか。
毎回書く形が広く使われています。1回ごとの時間が残っていないと、短くなったかどうかが分かりません。開始と終了の時刻だけなら数秒で書けるため、様式を簡単にしておくと続きます。
内段取りと外段取りはどう分けるのですか。
設備を止めないとできない作業が内段取り、動かしたままできる作業が外段取りになります。工具の準備や材料の運搬は外段取りに移せる場合が多く、そこを移すだけで止まっている時間が短くなります。
段取り替えの時間はどこまで短くできますか。
製品や設備によって幅がありますが、外段取りへの移し替えと治具の標準化で大きく短くなる例があります。まず現状の時間を記録して、どの作業に何分かかっているかを見るところから始めると、手を付ける場所が決まります。