製造業の年次有給休暇管理簿|作り方と5日の管理
公開 2026年9月3日/更新 2026年10月3日
目次11項目
- 1製造業の年次有給休暇管理簿とは何を追う帳簿か
- 年5日の取得を進めるために使う
- 残日数を本人に示せる
- 調査で求められる
- 2製造業の年次有給休暇管理簿に書く項目
- 半日や時間単位の取得を分かる形にする
- 繰り越しと当年を分ける
- 会社が指定した分を残す
- 3製造業の年次有給休暇管理簿の基準日をどうするか
- 人ごとの基準日で管理する場合
- 基準日をそろえる場合
- どちらにするかを規程に書く
- 4製造業で年5日の取得をどう進めるか
- 対象になる人を付与日数で絞る
- 進み具合を月ごとに見る
- 計画表で先に日を決める
- 5製造業の交代勤務での年次有給休暇の扱い
- 代わりができる人を育てる
- 一斉に休む日を作る仕組みを使う
- 生産計画と合わせて置く
- 6製造業の年次有給休暇管理簿の保存
- 賃金台帳と一体にする場合
- 電子で残す場合の要件を確かめる
- 退職者の分をまとめる
- 保存に回す前に残日数を確定させる
- 7製造業の年次有給休暇管理簿でつまずきやすいところ
- 申請の用紙と管理簿を近づける
- 基準日の一覧を別に持つ
- 繰り越しと当年を分けて表示する
- 半日と時間単位の扱いを決める
- 退職と入社が重なる時期に気をつける
- 8製造業の年次有給休暇管理簿を回る形にする
- 申請の流れに更新を組み込む
- 残日数を本人に返す
- 月ごとに進み具合を見る
- 9製造業の年次有給休暇管理簿にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- 10製造業の年次有給休暇管理簿に出てくる用語
- 11製造業の年次有給休暇管理簿と一緒に押さえておきたいこと
- 年次有給休暇管理簿の保存期間は5年と3年
- 書く項目は時季・日数・基準日の3つ
- 時季指定をする前に就業規則と意見の聴取をそろえる
年度の終わりが近づいてから、年5日に足りない人が何人も見つかる。残りの月に休みを詰め込むことになります。
一般には、期間の途中で進み具合を見る形が取られています。それでも、管理簿が更新されていなければ見られません。
とはいえ、更新を止めないのは仕組みの問題です。申請の流れの中で更新すると、別の作業になりません。
ポイントはここです。製造業の年次有給休暇管理簿は、基準日から数えて追うことで年5日を計画的に進められます。
ここでは、何を追う帳簿なのか、書く項目、基準日の決め方、そして交代勤務での取得の進め方までを順に整理します。
製造業の年次有給休暇管理簿とは何を追う帳簿か
製造業の年次有給休暇管理簿は、付与と取得を人ごとに追う帳簿です。作成と保存が、法令で定められています。
そのうえで、追う中身は3つに分かれます。いつから数えるか、何日あるか、いつ取ったか。
- いつから基準日
- 何日あるか付与した日数
- いつ取ったか取得した時季
3つがそろって、年5日の判断ができます。そのうえで、最初の基準日が起点になります。
年5日の取得を進めるために使う
年10日以上を付与された人には、年5日の取得が求められます。誰が何日取ったかが分からないと、進められません。
管理簿で追うと、足りない人が先に分かります。
残日数を本人に示せる
自分が何日残っているかを、把握していない人がいます。分からないと、申請も出しにくくなります。
そのうえで、給与の明細に残日数を載せる形があります。毎月目に入るので、忘れません。
残日数が見えると、計画が立てられます。
調査で求められる
労働基準監督署の調査で、この帳簿を求められます。年5日の取得が進んでいるかが、確かめられます。
そのうえで、帳簿が無いこと自体が、是正を求められる理由になり得ます。作成と保存が定められているためです。
出勤簿や賃金台帳と一緒に見られます。
製造業の年次有給休暇管理簿に書く項目
製造業の年次有給休暇管理簿は、基準日から積み上げていきます。最後に残日数が出る形にします。
- 1 氏名 本人の特定
- 2 基準日 付与の起点
- 3 付与した日数 当年分と繰り越し
- 4 取得した日 年月日で残す
- 5 取得した日数 半日や時間単位も
- 6 残日数 当年と繰り越しを分ける
前半は年に1回決まります。そのうえで、後半が取得のたびに動きます。
| 項目 | 書く内容 | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 基準日 | 付与の起点となる日 | 人ごとか斉一かを決める |
| 付与日数 | 当年に与えた日数 | 出勤率の要件も確かめる |
| 繰り越し | 前年から残った日数 | 消える分を分ける |
| 取得した日 | 年月日 | 半日や時間も残す |
| 取得日数 | 期間中の合計 | 年5日の判断に使う |
| 残日数 | 当年と繰り越しを分ける | 本人に示せる形 |
| 時季指定 | 会社が指定した分 | 指定した日も残す |
右の列が、実際に混ざりやすい部分です。そのうえで、繰り越しの扱いが特に分かれます。
半日や時間単位の取得を分かる形にする
半日単位や時間単位で取れる制度がある場合、集計が複雑になります。何日分に相当するかを、その都度出します。
そのうえで、年5日の判断では扱いが変わります。時間単位で取った分は、年5日には含まれません。
区別できる形で残しておきます。
繰り越しと当年を分ける
前年から繰り越した日数と、当年に付与された日数。まとめて1つの数字にすると、消える分が見えません。
そのうえで、年次有給休暇の請求権は2年で時効によって消えるとされています(労働基準法第115条)。分けておくと、いつまでに使うかが分かります。
どちらから消化するかも、決めておきます。
会社が指定した分を残す
取得が進まない人には、会社が時季を指定します。指定した日を、管理簿に残します。
指定した日を残すと、進み具合が分かります。
製造業の年次有給休暇管理簿の基準日をどうするか
製造業の年次有給休暇管理簿では、基準日の決め方が2つあります。管理の手間と、付与の前倒しの兼ね合いになります。
入社日を基準にする
- 人ごとに基準日が違う
- 法律の原則どおり
- 期限が年間に散らばる
- 前倒しの付与が不要
基準日をそろえる
- 全員で同じ日にする
- 斉一的な取扱いとして認められる
- 期限の管理が楽になる
- 前倒しで付与する
左は原則どおりの形です。そのうえで、右は管理が楽になる代わりに前倒しが要ります。
人ごとの基準日で管理する場合
入社の日から6か月後が、最初の基準日になります。以後、1年ごとに付与します。
そのうえで、人によって基準日が散らばります。毎月のように、誰かの付与の時期が来ます。
一覧で基準日を持っていないと、追えません。
基準日をそろえる場合
全員の基準日を、同じ日にそろえる形があります。4月1日など、年度の初めにする例が多くなります。
そろえる場合は前倒しで付与する形になります。
どちらにするかを規程に書く
どちらの方式にするかを、就業規則に書きます。書いていないと、原則の形になります。
そのうえで、そろえる場合は付与のしかたも書きます。入社から最初の基準日までの扱いも決めます。
途中で方式を変えると、経過の扱いが複雑になります。
製造業で年5日の取得をどう進めるか
製造業では、交代勤務や工程の都合で休みが取りにくい面があります。それでも、年5日は進める必要があります。
- 対象になる人が分かるか はい次へ いいえ付与日数で絞る
- 取得の進み具合を見ているか はい次へ いいえ月ごとに確かめる
- 計画的に取る仕組みがあるか はい次へ いいえ計画表を作る
- 足りない人に指定しているか はい進む形 いいえ時季を指定する
対象を絞り、進み具合を見て、足りない人に指定する
上から順に進めると、年度末に慌てません。そのうえで、最後の指定は手段として持っておきます。
対象になる人を付与日数で絞る
年10日以上を付与された人が、年5日の対象になります。パートで日数の少ない人は、対象外になる場合があります。前年からの繰り越しは、この10日の判定に含めないとされています。
そのうえで、勤続によって日数が増えます。去年は対象外でも、今年は対象になる人が出ます。
付与のたびに、対象かどうかを確かめます。
進み具合を月ごとに見る
期間の途中で、何日取ったかを見ます。残りの月数と比べると、間に合うかが分かります。
そのうえで、遅れている人に早めに声をかけます。年度末に集中すると、生産に影響します。
一覧で全員の取得日数を並べると、ひと目で分かります。
計画表で先に日を決める
期間の初めに、いつ取るかを決めておきます。本人の希望を聞いて、計画表にします。
先に日を決めると、繁忙期と重なりません。
製造業の交代勤務での年次有給休暇の扱い
製造業の交代勤務では、1人休むと班が回らないことがあります。取得を進めるには、いくつかの工夫が要ります。
上の2つが、いちばん効きます。そのうえで、どれか1つでは足りません。
代わりができる人を育てる
1人しかできない工程があると、その人が休めません。複数の人ができる状態にします。
そのうえで、教育の計画に組み込みます。時間がかかるので、早めに始めます。
作業手順書があると、教えるときの材料になります。
一斉に休む日を作る仕組みを使う
労使協定を結ぶと、計画的に付与する制度が使えます。全員が同じ日に休む形にできます。
そのうえで、5日を残して残りを計画的に付与します。本人が自由に取れる日数を残す必要があります。
設備の点検の日と合わせる形もあります。
生産計画と合わせて置く
生産の計画と休みの計画を、別々に作ると重なります。並べて置くと、無理のない配置ができます。
生産計画と並べて置くと、無理なく取れます。
製造業の年次有給休暇管理簿の保存
製造業の年次有給休暇管理簿は、期間の終了後も保存します。他の労務の帳簿と、扱いをそろえます。
保存の期間は、有給休暇を与えた期間中と、その期間が終わってから5年間とされ、当分の間は3年間です(労働基準法施行規則第24条の7、附則第71条)。そのうえで、他の帳簿と合わせて長く残す形もあります。
賃金台帳と一体にする場合
管理簿は、労働者名簿や賃金台帳とあわせて作ることができます(労働基準法施行規則第55条の2)。必要な項目が入っていれば、別に作らなくて済みます。
そのうえで、更新の手間が減ります。賃金の計算と同じタイミングで書けます。
あわせて作った場合も、管理簿の分の保存期間は第24条の7で数えます。
電子で残す場合の要件を確かめる
表計算のソフトで作っている職場が多くあります。求められたときに出せる形なら、電子でも構いません。
そのうえで、書き換えの記録が残る形にします。誰でも直せる状態だと、記録として弱くなります。
バックアップも取っておきます。
退職者の分をまとめる
退職した人の分を、在籍者と分けて保管します。一緒にしていると、更新のときに混ざります。
そのうえで、年度ごとにまとめます。保存の期限が来たときに、まとめて判断できます。
退職の手続きに、この作業を入れておきます。
保存に回す前に残日数を確定させる
退職の時点で、残日数を確定させます。退職までの間に取得することがあります。
そのうえで、退職日を確かめます。残日数を消化してから退職する形が多くなります。
確定させないまま保存に回すと、後から分かりません。
買い取りを行う場合も、記録に残します。何日分をどう扱ったかが分かる形にします。
そのうえで、あらかじめ買い取りを約束して休暇の日数を減らすことは、年次有給休暇の趣旨に反するとされています。退職のときに使いきれなかった分など、限られた場面で行う形になります。
退職が決まってから、残日数を本人に伝えます。早く伝えるほど、計画が立てられます。
そのうえで、引き継ぎの期間とも重なります。両方を見て、日程を組みます。
製造業の年次有給休暇管理簿でつまずきやすいところ
製造業の年次有給休暇管理簿でつまずく場所は、決まっています。どれも、作り方と運用で防げます。
- 更新が止まる申請の流れと離れている
- 基準日が分からない入社日が散らばる
- 繰り越しが混ざる消える日数が見えない
3つとも、日々の運用の中で起きます。そのうえで、いちばん多いのは最初です。
申請の用紙と管理簿を近づける
申請の用紙が現場、管理簿が事務所にあると、更新が遅れます。後からまとめて入力する形になります。
申請と管理簿を近づけると、更新が止まりません。
そのうえで、承認と同時に更新する流れにします。
基準日の一覧を別に持つ
人ごとの基準日で管理していると、時期が散らばります。一覧が無いと、誰の付与が近いか分かりません。
そのうえで、基準日の順に並べた一覧を持ちます。毎月、その月に基準日が来る人が分かります。
付与の作業を、月の予定に入れられます。
入社の手続きで、基準日を一覧に加えます。後から加えると、最初の付与が遅れます。
繰り越しと当年を分けて表示する
1つの数字にまとめると、消える日数が見えません。本人にも、いつまでに使うかが伝わりません。
そのうえで、欄を分けて表示します。繰り越し分と当年分を、別の列にします。
消化の順序も決めておきます。どちらから使うかは法律では決まっていないため、就業規則に書いておく形になります。
決めていないと、人によって扱いが変わります。
半日と時間単位の扱いを決める
半日や時間単位で取れる制度があると、集計が複雑になります。何時間で1日分とするかを決めます。
そのうえで、年5日の判断での扱いも決めます。時間単位の分は、年5日には含まれません。
管理簿の欄を分けておくと、集計が楽になります。
制度を導入するときに、この部分まで決めます。
退職と入社が重なる時期に気をつける
年度の変わり目に、退職と入社が重なります。一覧の更新が追いつかないことがあります。
そのうえで、その時期に基準日をそろえていると重なります。付与の作業と、名簿の更新が同時に来ます。
前もって準備しておくと、まとまります。
入社した人の基準日を、その場で登録します。後回しにすると、6か月後に気づきます。
製造業の年次有給休暇管理簿を回る形にする
製造業の年次有給休暇管理簿は、申請から集計までを一続きにします。途中で切れると、更新が止まります。
- 1 申請 本人が出す
- 2 承認 上司が確認
- 3 管理簿の更新 取得した日を記入
- 4 残日数の確認 本人に示せる形
- 5 月ごとの集計 進み具合を見る
- 6 指定の判断 足りない人に
3番目の更新が、いちばん抜けます。そのうえで、そこが止まると後も動きません。
申請の流れに更新を組み込む
承認した時点で、管理簿を更新する形にします。別の作業として後回しにすると、たまります。
そのうえで、更新する人を決めます。承認した上司か、事務の担当か。
決めていないと、誰もやりません。
残日数を本人に返す
更新した後、残日数を本人が見られる形にします。給与の明細に載せる方法があります。
残日数を本人に返すと、申請が早く出ます。
月ごとに進み具合を見る
全員の取得日数を、月ごとに集計します。年5日に届きそうにない人が分かります。
そのうえで、早めに声をかけます。年度末に指定すると、生産に影響します。
工程ごとに集計すると、取りにくい場所も見えます。
製造業の年次有給休暇管理簿にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
製造業の年次有給休暇管理簿の決まりは、2019年4月に始まってから大きくは変わっていません。そのうえで、制度の見直しの議論と、取得の実績の統計は動いています。日付順に並べておきます。
| 時期 | 動き | 根拠 |
|---|---|---|
| 2019年4月1日(参考) | 年5日の時季指定と、年次有給休暇管理簿の作成・保存が始まった | 労働基準法第39条第7項、施行規則第24条の7 |
| 2025年1月8日 | 労働基準関係法制研究会の報告書が公表された。時季指定の5日と時間単位の5日は、直ちに変える必要があるとは思われないとした | 厚生労働省 |
| 2025年1月8日 | 同じ報告書で、年の途中で育児休業から戻った人や退職する人の時季指定の扱いは、検討が必要とされた | 厚生労働省 |
| 2025年12月19日 | 令和7年就労条件総合調査が公表された。取得率は66.9%(前年調査65.3%)で、比べられる1984年以降で最も高い | 厚生労働省 |
| 2025年12月19日 | 同じ調査で、製造業は付与18.8日・取得13.7日・取得率72.8% | 厚生労働省 |
2026年10月3日にe-Gov法令検索で見た現行の条文でも、管理簿の保存期間は5年間、当分の間は3年間のままです。製造業の取得率は全体より高い水準にあります。そのうえで、平均の陰で5日に届かない人が残っていないかは、管理簿で1人ずつ見る形になります。
出典:e-Gov法令検索:労働基準法、e-Gov法令検索:労働基準法施行規則、厚生労働省:労働基準関係法制研究会の報告書、厚生労働省:令和7年就労条件総合調査の結果、厚生労働省:年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説
確認日は2026年10月3日です。自社の扱いが当たるかどうかは、所轄の労働基準監督署で確かめられます。
製造業の年次有給休暇管理簿に出てくる用語
製造業の年次有給休暇管理簿に出てくる用語は、ほとんどが労働基準法と施行規則の語です。条文と同じ意味で使うと、監督署の調査で説明がそろいます。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 基準日 | 雇い入れから6か月たった日から1年ごとに区切った各期間の初日 | 労働基準法第39条第7項 |
| 第一基準日・第二基準日 | 前倒しで付与したときに、年5日を数える起点として使う日 | 労働基準法施行規則第24条の5 |
| 時季指定 | 年10日以上の人について、5日分の休む日を使用者が決めること | 労働基準法第39条第7項 |
| 計画的付与 | 労使協定で、5日を超える分の休む日をあらかじめ決めること | 労働基準法第39条第6項 |
| 時間単位年休 | 労使協定により、年5日の範囲で時間を単位に取る休暇 | 労働基準法第39条第4項 |
| 比例付与 | 週の所定労働日数が少ない人に、日数に応じて少なく付与すること | 労働基準法第39条第3項 |
| 斉一的取扱い | 全員の基準日をそろえて付与する扱い | 法令上の定義はない(行政の通達で使われる語) |
時季指定と計画的付与は、決める根拠が違う語です。時季指定は使用者が1人ずつ決め、計画的付与は労使協定にもとづいて決めます。
製造業の年次有給休暇管理簿と一緒に押さえておきたいこと
製造業の年次有給休暇管理簿について調べると、様式や書き方の例はよく見つかります。そのうえで、保存期間の数え方や、時季指定の前にしておくことは、あまり触れられていません。ここでは3つを取り上げます。
年次有給休暇管理簿の保存期間は5年と3年
条文では、有給休暇を与えた期間中と、その期間が終わってから5年間の保存とされています(労働基準法施行規則第24条の7)。一方で、当分の間は3年間と読み替えられています(同規則附則第71条)。
そのうえで、数え始めは「期間が終わってから」です。1年分の期間が終わるまでは、保存期間の数え始めにならないため、在籍中の分を消すことはありません。退職した人の分も、最後の期間が終わった日から数えます。
書く項目は時季・日数・基準日の3つ
条文が求めているのは、時季、日数、基準日の3つを人ごとに明らかにすることです。前倒しで付与している場合は、第一基準日と第二基準日も含まれます。
そのうえで、残日数や繰り越しの欄は法令の項目ではありません。とはいえ、本人に残りを示し、年5日の進み具合を見るには、あると運用が楽になります。システムで管理する場合も、必要なときにいつでも出力できる形であれば差し支えないとされています。
時季指定をする前に就業規則と意見の聴取をそろえる
休暇に関する事項は、就業規則に書く事項です(労働基準法第89条第1号)。厚生労働省の解説では、時季指定をする場合は、対象になる人の範囲と指定の方法を就業規則に書くこととされています。
そのうえで、時季を指定するときは、あらかじめ本人の意見を聴き、それを尊重するよう努めることとされています(労働基準法施行規則第24条の6)。ポイントはここです。管理簿の時季指定の欄の横に、意見を聴いた日を残しておくと、手順を踏んだことが後から分かります。
様式は年次有給休暇管理簿テンプレートからダウンロードできます。あわせて必要になる出勤簿、賃金台帳もまとめています。

よくある質問
年次有給休暇管理簿は作成が義務なのですか。
労働基準法施行規則第24条の7で、使用者は年次有給休暇管理簿を作成し保存する旨が定められています。基準日と日数、取得した時季が分かる形にしておく必要があります。労働者名簿や賃金台帳とあわせて作ることも認められています(同規則第55条の2)。
年5日の取得はどの人が対象ですか。
年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者が対象になります。パートで日数の少ない人は対象外になる場合があります。対象になるかは付与日数で決まるため、管理簿で日数を追える形にしておくと判断できます。
基準日が人によって違うと管理が大変です。
入社日を基準にすると、人ごとに基準日が散らばります。斉一的な取扱いとして基準日をそろえる方法が認められており、その場合は前倒しで付与する形になります。どちらにするかを決めて、規程に書いておくと運用が固まります。